5月31日に開催されたウェビナー「消防職員のメンタルヘルス」は盛況のうちに終了することが出来ました。
この場をお借りして、参加してくださった皆様、スタッフとしてお手伝いいただいた皆様に感謝申し上げます。
講師を務めていただいた笹川真紀子先生からメッセージを頂きましたので、この場を借りて皆さんにお伝えします。
また、セミナーで解説した「ストレスの基礎概念」と「ライフイベントのストレス」について紹介します。
笹川真紀子先生からのメッセージ
「消防職員のメンタルヘルス」に参加された皆様お疲れさまでした。
今回のセミナーは、南は沖縄から北は北海道まで、全国の消防職員の方をお迎えして開催することができました。
今までのセミナーは主に東京での開催でしたので、関東近県以外の職員さんの参加は難しく、また遠方の職員さんからは是非地元でも開催して欲しいという声をいただきつつ未だに実現できずにいたところでしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響によって初めてオンラインセミナーを開催することになり、モニター越しではありますが、遠く離れた職員の皆さんにもリアルタイムでメンタルヘルスについての大切な話をお伝えすることが出来ました。
今回のセミナーでは、
・消防職員はどのようなストレスを受けているのか?
・ストレスを受けるとどのような反応が出るのか?
・そしてどのように対処して行けばよいのか?
こんなことをお話しさせていただきました。
受講者のみなさまからはご質問をいただいたり、チャットでコメントをいただいたりしながら、あっという間の2時間でした。
また
「ZOOM講義、楽しかったです!」
「ストレス対策としての有酸素運動・無酸素運動など、新しいことが学べました」
「ストレス自体を理解しないと、ストレスケアの対策も立てようがないなと実感しました」
など、ご感想をいただき、私もとてもうれしく思います。
今後もセミナーを企画していきます。消防職員のみなさま(オンラインですが)セミナーでお会いできることを楽しみにしています。
惨事ストレス研究会 笹川 真紀子
セミナー内容から
ストレスの基礎
ストレスには必ず原因があり、その原因となるものをストレッサーと呼びます。
ストレッサーが必ずストレスを発生させるのではなく、強弱、継続性、またその時の自身のコンディションなど反応が起こる過程はさまざまです。
ストレスは会議室で起きている
私たち消防士にとって最大のストレッサーは災害のはずですが、皆さんは災害出動時にどのくらいのストレスを感じていますか?
普段の業務の中にこそ様々なストレッサー(きっかけ)があり、自身の受け止め方や対処の違いによってかかるストレス(反応)が大きくなってしまうことも多々あるのではないかと私は考えています。
私自身は、災害出動はストレスには結び付きにくく、平時の業務の中でのやり取りの方がストレスの原因になっているという実感があります。
ライフイベントのストレス
ライフイベントとは、私たちが日常の中で経験している出来事のことです。
日々の出来事が自身に与える変化(ストレス)を数値化し、その後の生活にどのような心理的影響を及ぼすかを調査する手法を「ライフイベント法」といいます。
代表的なものに『ホームズとレイのストレス度表(社会的再適応評価尺度 Social eadjustment Rating Scale:S.R.R.S.)』があり、5000人の患者を対象にした調査をもとに1967年に発表されました。
その調査によると、一年間に経験したライフイベントの点数の合計が300点を超えた人のうち79%が翌年何らかの疾患を訴えたとされています。
現代では生活パターンや職種ごとの追試や検証なども行われており、ストレッサーを知るための有効な尺度として活用されています。
以下は今回のセミナーで使用した尺度表です。ご自身でも試しにチェックをしてみてください。
全ての人がこの尺度表に当てはまるとは限りませんが、日常の出来事がその後の生活に影響を与えていることは間違いありません。
段取り八分
FPSでは、今後も定期的に「消防職員のためのメンタルヘルスセミナー」を開催します。
また、セミナーで得た知識を実際の場で活かすためのトレーニングの場の提供も進めています。
興味を持たれた方は是非、ご参加ください。
すべては仲間のために!
Firefighters Peer Support
消防職員のメンタルヘルス ベストコンディションで救急・消防活動を継続するため こころの疲れを癒しましょう
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